あぶ

川っぺりムコリッタのあぶのレビュー・感想・評価

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)
4.6
生活とファンタジー、生と死が深く結びついた映画だった。
松山ケンイチが感情を吐露するシーンで冷蔵庫の扉をバンバンする所や、落ちて砕け散った骨壷をうちわで集める所や、満島ひかりが自転車を漕ぐ仕草や、米を研いだ水がシンクに当たる音は明確な生活との紐付きを現していたのに対して、川っぺりに置かれた必要とされなくなった家電や、満島ひかりの艶やかな衣装は何処か幻想的で生活の中からはみ出ていて幻想的だった。
そんな生活とファンタジーが、曖昧になりつつある世界の中で、生と死が隔つそれぞれの世界との向き合い方が何処か温かく荻上直子監督にしか撮れない映画だと思った。
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