突然記憶を無くした男が新しい自分になる為に模索する話。
辛過ぎる過去ならいっそ思い出せない方が幸せなのかもと思わないでもないけど、本当にそれでいいのかと自問自答してみる事も大切かもしれない。
シリアスな語り口と思わせて微妙にオフビートでドライな目線が心地良く染みる。
長編初作品らしいクリストス・ニク監督は「女王陛下のお気に入り」で助監督してただけあってヨルゴス・ランディモスっぽさを感じさせるし、ギリシャ映画には特有の毒気があるのかしれない。毒気しかない「PITY ある不幸な男」もギリシャ映画だったし。