林檎とポラロイドの作品情報・感想・評価

「林檎とポラロイド」に投稿された感想・評価

nimo

nimoの感想・評価

4.0

このレビューはネタバレを含みます

体調万全じゃなく観に行ったのは、やや失敗だったかも(起きてはいたが、眠気が...)。

正直、鑑賞中はよくわからない作品でした(笑)
りんごはずっと美味しそうでした🍎←

最近観たのだと、「春原さんのうた」と似たような感覚?
後から色々整理したり、色んな人の感想読んだりして、ジワジワ面白くなっていくタイプの作品でした。
(自分の理解力が乏しいだけなのかもですが...笑

これ、人それぞれ色々解釈が分かれそうな作品でもありますよね。

所々クスッと笑えるところもありながら、そっと哀しみに寄り添うような優しい作品でした。もう1回観ると、全然見方変わりそう。


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(以下、かなりネタバレありで)



わからなさすぎて、観賞後色んな人たちの感想でなんとなく輪郭は掴めた気がします。

もちろん、人それぞれ解釈があっていいと思います。
そんな中で個人的にしっくりきたのは、「主人公は、実は記憶無くしてなかった」という見方。

冒頭に記憶喪失の病が蔓延しており、再生プログラム実施のニュース。

その後、主人公が出かけていき記憶を無くして、プログラムを受けていくという流れ。

最後には、そこから抜け出して自宅に戻り、「配偶者が亡くなった」現実と向き合う。

一連の流れから推測するに、その現実から目を背けたくて、「記憶が無くなった」と自分に思いこませようとしていたということなのかなと。

これを補強するものとしては、例えば果物屋で「りんご食べると記憶力がよくなる」という話を聞いて、オレンジを買ったシーンなど。
思い出したくもなく早く忘れたいので、「それは困る」と取った行動にも取れます。

プログラムに参加したのも、「記憶を上書きすれば哀しみも忘れらる」と思ったからなのかなと。


りんごとポラロイドというタイトルも興味深いです。
nao

naoの感想・評価

3.9
記憶がなくなる病気が蔓延した世の中。治療の為に参加するプログラム。ポラロイドで記録を残す。

ずーっと不思議な雰囲気の中。どう終わるのか、全く想像出来なかったので。
エンディングを迎えた時、なるほどねーと涙が出た。

ギリシャ映画。あんまり観た事ないけど。好きな雰囲気だった。インテリアも素敵。

このレビューはネタバレを含みます

とても上品で、映像が綺麗で映画的、それでいてユーモアもある。

「過去の記憶を喪失している」という役柄の設定は珍しくないが、とてもリアリティある描かれ方で、セリフが少ない映画的な描写と、美しい映像を観ているだけで楽しめたし、少しかわいい主人公に、笑える場所もあり、ほっこりもした。

最近だと「ライトハウス」の時にも感じたが、やはり正方形の画角には不安を抱く気がする。

人間の目は横長で、視界が横長だからだろうか。首を縦に振れば縦長の映像を見ることも出来るが、正方形という画角には、どうも見慣れていないのかもしれない。

強いて言えば、片目を瞑った時の視界が正方形に近いかも。

住宅にある正方形のFIX窓に生活感を感じないのも、正方形という画角の妙なのかもしれない。

この作品でも、慣れるまでは、正方形の画角に不安を感じていた。

静かで台詞が少ない映像と、"過去の記憶がない"という設定が、そう感じさせたのかもしれない。

しかし、あっという間に引き込まれ、いつのまにか、画角のことなんて忘れていた。

専門的な事は分からないが、正方形で美しい絵を作るのは難しいと思う。

長方形とは違って、動きや奥行きが生まれにくく、重心も作りにくいからデザインなども長方形の方が作りやすい。

そんな中、全編を通じて正方形の画角なのに、魅力的な映像が撮り続けられるのは、間違いなく監督の腕だと思う。

デビュー作で、この美しいショットと、このほっこりもある不思議な世界観は、素晴らしいとしか言いようがない。

パンフレット買えば良かった。
また観たいし、次作以降も楽しみ。
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以下、気になった事など

⬜︎八百屋で住所を間違えたのは、、記憶喪失の人が居るアパートである事を隠すため?それとも前の住所が口から出て来た?

⬜︎「ボケ防止になる」と聞いてからりんごを食べるのをやめたのは、無くした奥さんのことを忘れたかったから? それとも、食べていたのに忘れてしまっているから?

⬜︎自分は、記憶喪失のフリをして、奥さんのことを忘れようとしていたが、忘れられなかったのだと思った。
人生2本目のギリシャ映画。
しかも、1年で2本のギリシャ映画を見る事になるとは。
因みに、人生初のギリシャ映画は『テーラー』。

今回の『林檎とポラロイド』、『テーラー』共に年代不明。共にスマートフォン類が一切出てこないので、1990年代にも見えるし、2020年代にも見える。

『テーラー』ではギリシャという国はアラブ要素強いなと感じたけど、今回の『林檎とポラロイド』ではギリシャはやはりヨーロッパなのだなと感じました。

インテリア,服装共にシンプルでお洒落な映画でしたね。
映画館で見て、数日経った今でも思い出すだけでまだ温度がする。

SFコメディの要素もありながら、ケイトブランシェットの言葉を借りるなら悲しみの核を持ち続けていた。
突如記憶喪失になる奇病が蔓延するある時代のある国の話。治療に使うのはポラロイドカメラ。見ている人は主人公と一緒に新しい人生を始める。一緒に不思議なミッションをこなしていく。
彼は誰なのか、彼はなぜ林檎を食べるのをやめたのか、なぜ部屋に瑞々しい林檎が一つ残っていたのか。正解がなんだろうとどうでもいいが、こうやって思い返して、考えて考えて主人公の彼へ今だに優しさを向け続ける。観た人みんなが少し暖かく優しくなれるこんな映画が観たかったんだと思う。
シュールさもユーモアも余白も過剰にならず、尺も含めてちょうどいい塩梅の、とてもシンプルな寓話だった。記憶喪失して代替記憶プログラムを受ける主人公の「秘密」は、観客に対して冒頭から隠されていない。だから自然と主人公の喪失から再生への道のりに寄り添うことになる。いっそ何もかも忘れて新しく自分を上書きしてしまいたい、って思う時はままあるし、その点『エターナル・サンシャイン』と似てる。でも……林檎かオレンジか、それが問題だ。
ポラロイドカメラで撮影した記録は、実際は記憶よりも不確かで心許ない。本当のことは写真に残らないけれど、身体感覚が憶えてているものはなかなか消えない。美味しそうに林檎を齧り、意外とダンスが上手で、器用にドアに手を突っ込む男、演じるアリス・セルヴェタリスが巧かった。一緒にプログラムをこなすようになる女もチャーミング。言葉少なく淡々飄々としつつも、2人とも身体全体で心の微妙な動きを表現してる。『悪魔のいけにえ』のリアクションが素晴らしかったな(そりゃ怖すぎて直視できないよ)。あとキャットウーマン…おい!
ていうか、ギリシャ映画だとか事前情報をすっかり忘れてて、そもそも何で観る気になったんだっけ?車で歌ったあの曲何だっけ?…と思い出せない自分も、もっと林檎食べるべきかもしんない。

このレビューはネタバレを含みます

スコシフシギ的なSFで良かった。
記憶障害を起こす人が沢山いる時代のお話。そしてこの記憶障害は完治しないとのこと。

多くを説明しない作品のため色々な解釈ができるのが良い。
最終的に記憶が戻ったようにして映画は終わっているが記憶を戻しても林檎を食べたということは、もしかすると初めから記憶障害はなかったのではないか?なんてことも思ってしまった。結構序盤で自分の本当の家の番地言ってるんだよなあ。

シーン単位で秀逸なものが多く、パークでの自転車や仮装パーティでのバットマンを救わないキャットウーマン、ダンスシーンなんか本当に良かった。画もとても決まっていて、特にバーでの真横のイスから撮っているカットがとても良かった。

好きな映画。
ギリシャ映画。
髭の男は、バスの中で突然に
記憶を失う。

記憶喪失が蔓延している世界。
男は、記憶を取り戻す治療ではなく、新しい人として、生きるプログラムを与えられる。

カセットテープにふきこまれた
“ミッション”を毎日こなし、
ポラロイドにその一瞬を“記憶”
していく。

ちょっと不思議な雰囲気で、
シュールでもあるが、
ユーモアも含んでいて、
風刺も効いているような作品。

台詞も少ないので、
感覚的にとらえていく感じ。

最後の方にきて、男は昔の
記憶の断片を感じる。
男は、忘れたのではなく、
忘れたかったのか。

自分の意思とは関係ない行動は、果たして自分の“記憶”と
言えるのだろうか。

ポラロイドは、SNSの
メタファーともとれる。
切り取られた一瞬は、事実の一部ではあるが、真実とも違う。
はる

はるの感想・評価

4.4
だんだん切なくくるしくなっていくけど、とても好きでした。
カセットテープだったり、レトロなアイテムがSFじみた設定と妙にマッチしてて。
インテリア最高だったな。あの壁の色と照明と本棚いい。
金曜から立ち飲み〜特撮〜ラーメンと、かなり超個人的趣味嗜好に走っていたところから、ようやく映画のレビューに戻ります😂

ふぅ。はしゃいだはしゃいだ🤣
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ただ、相変わらず劇場鑑賞作品の投稿も2ヶ月前の分からなかなか進みません😅
本作は4/16(土)わざわざ横浜の山奥から有楽町にまで夕方になってやっと出掛け、そこから2本連続で観た2本めの作品になります。

なんと上映終了は22:40…。
そこから自宅まで帰ると確実に日を跨ぎ0時半にはなっていたであろうことを思い起こすと『我ながら元気やなぁ😅』と思わずにはいられません。
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しかし『結果良ければ全て良し』ではないですが、そんな事態になっていても、本作は『観て良かった』と素直に思えた作品でもありました。
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(以下 公式サイトより抜粋)
突飛でキテレツな世界に漂う、温かさあふれるオフビートなアナログ感!
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「お名前は?」「覚えていません」──。バスの中で目覚めた男は、記憶を失っていた。覚えているのはリンゴが好きなことだけ。治療のための回復プログラム“新しい自分”に男は参加することに。毎日リンゴを食べ、送られてくるカセットテープに吹き込まれた様々なミッションをこなしていく。自転車に乗る、ホラー映画を見る、バーで女を誘う…
──そして新たな経験をポラロイドに記録する。
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ある日、男は、同じプログラムに参加する女と出会う。言葉を交わし、デートを重ね、仲良くなっていく。毎日のミッションをこなし「新しい日常」にも慣れてきた頃、買い物中に住まいを尋ねられた男は、以前住んでいた番地をふと口にする…。記憶はどこにいったのか? 新しい思い出を作るためのミッションが、男の過去を徐々に紐解いていく。
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突然記憶を失った男。おかしなミッションを通して、新しい世界に溶け込んでいく様は、まるで不思議の国のアリスのよう。寡黙で物憂げな表情、どこか滑稽で真面目なふるまい、明かされていく過去──。観る者の心をつかむ緻密でオリジナリティあふれる物語は、近未来的な設定ながら、人肌のような温もりに満ちている。哀愁とユーモアを絶妙なバランスでブレンドした新たなる傑作が誕生した!
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主人公が参加する「新しい自分」のミッション内容は···
・自転車に乗る
・仮装パーティーで友達をつくる
・ホラー映画を見る
・10mの飛び込み台からダイブする
・車を運転し、わざとぶつける
・バーで酒を飲み女を誘う
etc.
(引用終わり)
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本当は本作スルーしようとしてたんです😅

でもその時期はとにかく、これまでの『自分自身の尺度の境界線ギリギリにある映画は避けておくが無難』との不文律を越え、色んな映画を観よう欲に気力・体力ともに支配されていたタイミングだったので、本命は「TITANE/チタン」だったんですが、なんとか2本連続のスケジューリングにも収まったため、その時点で公開からだいぶ日にちは経っていたけどちょっとだけ気になってはいた作品でもあったので、付け足しで観たようなものだったんです。
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そしたら、TITANEが個人的には若干の期待外れであったのもあってか、妙にこちらの方がぶっ刺さりましてね…😅
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簡単に言うと『シュール・ユーモア・ペーソス、そしてほんの少々のブラック』って感じなんですが、とにかく気持ちいい。

ともすれば眠気を誘う雰囲気ではあるんですが、その時の強行軍にも関わらず、なんだかグイグイと引き込まれ、最後までスルッと観れてしまったんですよね😆💦

まさに感覚的なんですが『肌に合ってたな』と。
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まぁ舞台設定的には、謎の奇病による記憶喪失が常態化してきているというちょっとしたSFなんでしょうけど、とにかく淡々とした主人公の行動・描写が、そんな肩肘張った世界観もどこ吹く風って感じでいいんですよね。
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関わる医療側の人々の感覚もなんかズレてて可笑しいし、途中で出会う同様に記憶喪失の女性の天然入った言動・行動もクスクス・ニヤッとさせてくれるし。
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なにより終始シュールで行くかな〜と思ったところで、ラストのハッとさせられる主人公の行動…。

アレってそういう事ですよね?
『実は◯◯◯◯の◯◯をしてた』と…。
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そこでまたなんとなくの哀しみや人間味が感じられ、一気にグッとこのお話の核心に惹き寄せられたんですよ…。

結論『えがった〜…』と。
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うん。
やっぱり第一印象だけで拙速に判断せず、何ごとも自らがその場に身を置いてこそ分かることがある。
そんな事を改めて実感させてくれた意味でも、本作『観て良かった』と思うのでありました😊
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