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続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画のSSSのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

2006年に公開された『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』から14年。Amazonプライムビデオ作品としてボラットがまさかの帰還を果たし、前作に負けず劣らずの緩さと下らなさで突き進む。サシャ・バロン・コーエン演じるはボラットは強烈なアンチポリコレなキャラクターなのでテキサス州の人々がドン引きしながらもボラットと交流する光景が微笑ましい。そしてモキュメンタリーの割に終盤のどんでん返し(Covid19を世界にばら撒いたのはボラット自身であったこと)は中々にフックが効いた展開で面白い。
一方でボラットによる執拗なトランプ崇拝描写からも判るように明らかに本作は2020年大統領選を見据えての熱烈なトランプ政権に対するネガティブキャンペーンである。同時にCovid19ネタを使いつつも中国市場を怒らせないためにCovid19拡散を画策したのは(架空の)カザフスタン政府であると示すあたりがスタンスがあまりに露骨過ぎて若干白けた気持ちになる。良くも悪くも民主党 を強く支持するハリウッドによる援護射撃映画である。
 エンドロール前にでるテロップ「選挙に行こう、さもなくば処刑である」というのが製作陣の伝えたいメッセージなのは間違いないが映画という媒体でここまでストレートかつ露骨なメッセージは製作陣のなりふり構わなさを感じた。
ところでジュリアーニ元市長はこのような損な役回りでよく出演したものだと思って関心していたらゲリラ撮影らしい。本当にあんなことをしていたのであれば観客はドン引きすることは間違いない。その意味で製作陣の思惑通りにまんまとハマってしまった彼の迂闊さと脇の甘さに呆れる他ない。
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