filmarks1000本目レビュー。映画に関する映画。直近だと劇場版SHIROBAKOも同じような内容ですが、こちらの方が優れていると思いました。
王道な物語と美麗な映像、そしてよく動くアニメーション。公開規模がある程度の大きさの作品ですが、公開規模が本作より大きい作品と比較しても遜色ない出来だと思いました。秀作。
傑作とは思いませんでしたが秀作とは思う満足度でした。短い時間の映画は好きですが、この作品はちょっと内容に対して尺が短い。もう少し内容を減らせば傑作だったかなと思います。何故なら、内容を消費するために前半部が非常に忙しくなってしまっている。その上、映像がMVのようなカット割りの連続。凝ったものですが、凝りすぎて忙しいガチャガチャしている不快感がありました。この前半部が最も足を引っ張っていると感じた。
前半以降は間を大切にした映像となり見やすい。そしてお話としても王道な展開で程よく盛り上げてくれる(ただ資金調達の男性の一連は抜いて良かったと思う)
全体として美術クオリティが高い。そして色彩。ハイライトに一工夫入れて雑多なTVアニメとの格の違いを示しているように思いました。泥を投げ合うシーンは竹内さんの作画ですかね、滑りそうになる動作が良かった。全体としてもずっと動く動きまくる作品で映像カロリー高め。
実写バクマンのような編集をバトルように躍動感溢れる映像で良かった(ただ前半編集シーンは抜いて後半でこの見せ方初見せすれば効果的だったと思う)
劇中劇がしっかりと面白そうでよかった。また、SHIROBAKOと比較になってしまいますがあの作品の劇中で作られる作品がどうも面白くなさそうに見えるので説得力がなかった。一方、本作は指揮者の葛藤を描く安っぽくない映画を作ろうとしているんだなと説得力がありました。説得力が無ければラストシーンがご都合に感じてしまう思うので、映画の良さに貢献してると思う。
何はともあれ良い作品だと思いました。前半部の欠点さえ無ければもっと良かったと思う。
