後に原作を読んで驚いたのは、本作において骨太な主軸として語られた後半部分が、原作では数ページに留まるというところ。
この後半で語られる主軸が劇中劇、主人公達のストーリー、そしてこの作品自体をもって重層的に語られる。
この後半で語られるものが、まさにこの映画自身の前半でふんだんに盛り込まれた映像としてのテンポ感、小気味良さ、明快さに直結するもので、更にアニメとしての美しさ、表現に富んでいる。
そして、これが前半の物語への導入としての効果を発揮している。
そして最後の着地、諸処に散りばめた断片がかっちりハマってくる。
前半と後半の展開、構成、構造、結実するラスト。
今更だが、キャラクタも非常に良い。原作の魅力が増幅されている!
アニメとして映像化するということはこういうことだよな、と。
そして、映画を作るとはこういうことだよな、と。
すばらしい