映画への愛。
監督として、映画を作るという夢。
執着とまで感じるのは、夢を叶えるために選択をし続け、その選択を手放さないために他を切り捨て犠牲にし、心を注いできた結果だ。
私は何かにつけて選択することが苦手で、選択肢の全てを取ってしまいたいと思ってしまう。それに、アランと一緒で、大抵のことは上手くこなせてきた。生きることは選択の連続なのに、コレと決めた信念がない私は、振り返った時に何も残っておらず、人格がぼやけてしまっている気がする。
「夢を叶えるために、他は切り捨てる」
「残ったものを手放さないために、諦めないために、切れ」
それができる尖った人間に私もなりたい。
そんな尖った人間は、自然と周りを惹きつける魅力的な人になっているはずだから。
この映画のジーン・フィニも一見平凡だけど、とても魅力的だった。ラストシーンのジーンには、何かを貫いてきた人にしか醸し出せない変態チックさを感じた。
この映画を作った平尾さんもジーンみたいな人なんだろうな。
とても素敵な心にたくさん突き刺さる映画でした。
No.300
