ねこだとらきち

タイムのねこだとらきちのレビュー・感想・評価

タイム(2020年製作の映画)
5.0
システマティックレイシズムを背景にしたこの作品は「13th憲法修正第13条」とセットで観るとよりいいかも。
これも言葉の力を信じること自体の力を魅せられるような傑作だ。
オバマ2020のお気に入りリストに入ってた映画としてやっぱり先週の特集とフューパスを思い出しちゃう。
 先週の三宅隆太さんが言ってたようにいくら言語形態の差異やポエティック、スピーチ文化の有無があるとはいえあまりに国のトップは言葉で人に訴えかけることの価値を軽視しすぎだ。
 軽視するから政治家は原稿の棒読みで答弁し森喜朗は差別的発言を平気で吐き、その問題点すら理解できない。

でもこのドキュメンタリーには言葉が人に伝播し理不尽な現実にギリギリ抵抗しうる力を生み出す姿が克明に刻まれてるじゃないか!

彼女のスピーチやドキュメンタリーとしてポロッと出す言葉はただ感情的に吐いたものではなくかなり計算し尽くされ、多分練習し尽くしたものなんだろう。
当たり前だよ。それだけ彼女は言葉で人を動かす力とその責任を知っているのだから。