leyla

私は決して泣かないのleylaのレビュー・感想・評価

私は決して泣かない(2020年製作の映画)
3.9
移民労働者問題、国の経済事情、貧困家庭の生きづらさが根底にありました。ケン・ローチにも通じるような少女の成長譚。

ポーランドに住む17歳の少女オラ。父はアイルランドへ出稼ぎに行っており、兄は障害者で母は兄の介護につきっきり。父の突然の訃報に、オラはひとりでアイルランドへ父の遺体を引き取りに行く。

知らない国で遺体引き取りの事務手続きを行うことの大変さや輸送代が払えない資金難、理不尽な事態が多々ある中、オラはたくましく突き進む。17歳には過酷です。

オラは父のことを何も知らなかった。父と関わっていた人々と出会い、少しずつ父のことを知っていき、自分との約束を守ってくれていた父の愛に気づく。決して泣かなかったオラが最後に見せる表情に心揺さぶられました。主人公の意志の強い表情がよかった。

“出稼ぎの父を持つ家族のほとんどは父のことよりお金にしか興味がない“みたいな感じのセリフがあり、胸が痛みました。
leyla

leyla