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スウィート・シングのmioumioumiouのレビュー・感想・評価

スウィート・シング(2020年製作の映画)
4.4
苦いことばかりでもほんの時々に訪れる宝物みたいなキラキラ輝いた瞬間があるから生きていけるって確かにあるってまた思い知った。どんな境遇だって子どもたちは毎日にほんの少しの彩りを見つけ逞しく走り回り,からだもこころも成長していく。親がどんなだって2人は両親が大好きで会いたいし一緒にいたい。とはいえアル中の父親もクソみたいな彼氏と住んでる母親もまじで最悪級にめちゃくちゃや。。子どもは親を選べない。

姉ビリー,ラナロックウェル
弟ニコ,ニコロックウェル
あれ?監督もロックウェルじゃない?
ってこの主人公2人の姉弟が監督の実の娘と息子やって今知って泣けてきた。。。まじぃ?そんなことある?🥺…ほんまに宝物みたいな映画だった!!!!

クリスマスに父親がくれたおもちゃみたいな小さなギターを弾きながら歌いはじめるビリーの歌声が良い。弟が傷ついたり不安だったり眠れない日は子守唄みたいに歌ってくれる。ある日母親がめちゃくちゃしよってからに酒に溺れながら悲しみに打ちひしがれた父ちゃんがビリーのくりくりの自慢の髪を無理矢理にハサミで切るシーンがある。泣きながら髪切られてる姉を見て弟も自分の髪切るねん。一緒だよって。大丈夫。髪はまたのびるからねって私も心の中でビリーに言った。どうしたらいいか全然にわからん最悪な日々をどんなにか見せつけられたって思い出すのはクリスマスの朝に笑い合う家族の幸せな風景。サンタさんがきたあって喜んで無邪気に走り回る弟のかわいさ。流れる音楽もモノクロームも途端にカラーになる忘れたく無い瞬間も、貧しさや苦しさに包まれようともすべてが愛おしかったって言える。それはみんなみんな生きてるから。死んでない。生きてる。この生きてるってことがすべてなん。じんわりと希望の光が差し込むラストが待ってるんだよん

「もう2度と年をとったりしない 愛しい君よ」
SWEET THING
愛おしい君

つまるところは監督が自主制作で娘息子を16ミリで撮ったやつ
ジャームッシュとかハルハートリーが好きな人はまあみてみ
そんな良さなのよ
途中からはあまりにもスタンドバイミーなのよ

2021年も終盤に差し掛かりいい映画の波が押し寄せてくる。このビッグウェーブに乗ってやるー

というレビューを2021年に書いていましたとさ
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