15歳のビリーは長いカーリーヘアの似合う女の子。11歳の弟のニコと、アル中の父と共に貧しい中ひたむきに生きる。
二人は監督の実子で、生き生きと演じる姿をモノクロで詩情豊かにカメラが追う。
人物の顔の細かいところまで克明に捉えるポートレートのような描写が想像を掻き立てる。
時に、差し色のようなカラーの挿入がビリーの束の間の幸せを投影しているよう。
ブライアン・イーノの大好きな曲が使われて、グッときた。洋楽好きに刺さる選曲といい、周囲の人々を巻き込み変わって行く物語の流れといい、上手く90分にまとめる手堅さはなかなかのもの。