ジェイティー

私立探偵エイブ 折り紙殺人事件のジェイティーのレビュー・感想・評価

3.9
かつて少年探偵として町の人気者だったエイブは秘書として手伝ってくれた少女グレイシーの失踪事件を機に心に大きな傷を残し、成長し町の鼻つまみ者となっても探偵業を続けていた。
ある日高校生の少女キャロラインが彼氏の刺殺事件の真相を突き止めてほしいと依頼してくる。
失った名誉を再び取り戻すために本腰を入れて捜査を進めるうち真実と共に過去とも向き合うこととなるお話。

昔取った杵柄で生き続けるエイブの成長の物語でもある本作
観る前は深く考えていませんでしたが結果中々拾い物でした。

一見何の関係もなさそうな出来事が実は繋がっていたりと
ミステリーとしてのお約束を踏まえつつシニカルな笑いで進んでいく所が中々好みでした。
特にコメディパートと思われていたエピソードにも意味はあったりと核心に繋がるピースの隠し方がスマートで後半は「なるほど、そういうことだったのか」と感心しました。

また低予算故の工夫なのか定かではありませんが、パトカーそのものを出さずにパトランプやサイレンなどで見せる所は良かったです。
そうした工夫から即落ち二コマみたいな場面転換などもありコメディとしても楽しめました。

しかし最後まで観てみると根底にあったものは非常恐ろしいもので
それが小さな町で起きていたことを考えると中々怖いです。

エイブを演じたアダム・ブロディ、ちょこちょこ観ているはずですが
この役は非常にいい味を出していて良かったです。

できればあと一作作っても面白そうだなぁと個人的には思いました。
短い作品ですのでお勧めです。