JunichiOoya

女たちのJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

女たち(2021年製作の映画)
2.0
同じ日に見物した『茜色に焼かれる』と同様40歳を前にした女性のしんどさ(=アホさ)を綴るお話。『茜色』の144分に比べると100分弱でさっくり見られるのだけれど、それは脚本の手腕というより、登場人物たちに語るべき内実が不足しているから長くしようがない、とも言えるのかも。

主人公は東京での生活に夢敗れ、北関東辺りの山中で脳梗塞の母親と暮らしている。北関東辺りの話だと思うんだけど、彼女の幼馴染とその妹は関西弁のネイティブスピーカーで、上映の間中随分混乱した。

彼女は母親の訪問介護を担当する男性から手痛い詐欺に遭うのだが、『茜色』で主人公が刃傷沙汰を起こしかける終盤のクライマックスと話が凄く似ていて。
いやあ、世の中の40歳前女性はそんなアホちゃいますよ。なんか、作り手の中のステレオタイプがそうさせてるんじゃないかしら? って苦笑いしてしまう。

『茜色』ではその騒動は喜劇へと昇華していくので、少し救われるのだけど、こちらでは、主人公の愚かさが幼馴染の自死を招来してしまうという、嗚呼不幸の絶頂じゃわい! みたいなどうにも強引な展開に。

脳梗塞の高畑淳子、メンタルを大いに病んでる蜂蜜作りの倉科カナ、複雑なんだろうその出自を容姿(というか顔貌)と役名だけで語らせられたサヘル・ローズ。それぞれに熱演なんだけど、脚本にも演出にもそれらを繋ぎ合わせる技量が欠けていたように思う。

この素材をこう失敗しますか? というのは『ミセスノイズイ』とともに篠原ゆき子さん2回連続です、私には。

たまたまだと思いますけど…。
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