福福吉吉

アムステルダムの福福吉吉のレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
第一次世界大戦に従軍中に親友になったバート、ハロルド、ヴァレリーの3人はアムステルダムで楽しく共同生活を過ごしていたが、バートがニューヨークに戻ったことを皮切りに離れ離れになる。それからしばらく経って1933年のニューヨーク、バートとハロルドが殺人事件に巻き込まれたことをきっかけに3人が再会し、事件の真相に迫っていく。

◆感想◆
1933年のニューヨークを舞台に、第一次世界大戦で親友となったバート、ハロルド、ヴァレリーの3人が殺人事件の真相を追うストーリーとなっており、登場人物たちの個性が振り切れていて楽しい作品でした。

主要な人物として
(1)バート(クリスチャン・ベイル)
医師として退役軍人に積極的に治療を施す好人物です。戦時中に右目を失い、義眼になるのですが、作中で殴られて義眼が飛び出して割れてしまうシーンがあり、これがコメディっぽく描かれているのですが、笑ってよいのか分からなかった。
(2)ハロルド(ジョン・デヴィッド・ワシントン)
戦時中にバートと同じ部隊で戦っており、黒人でも対等に扱ってくれたハロルドと親交を深めています。弁護士として活躍しており、物腰の柔らかい人物です。
(3)ヴァレリー(マーゴット・ロビー)
戦時中、看護師として従軍してバートたちに出会い、親友になります。ハロルドと恋仲であり、独特の美的感覚で芸術を語る人物です。

以上の3人がストーリーを引っ張っていくのですが、1933年当時のアメリカが退役軍人の扱いに困っており、財産を持つ人物が幅を利かす世界になっており、バートたちは富豪のヴォーズ家を頼ることになります。このヴォーズ夫妻が癖が強くて、夫のトム(ラミ・マレック)、妻のリビー(アニャ・テイラー=ジョイ)ともに言動が楽しいです。

ストーリーが後半になると、スケールの大きな話になっていき、バートたちの存在が薄くなっていきました。これまでバートたちが頑張って繋いできたタスキをたった一人の俳優に全てもっていかれた気がしました。

コメディなのかサスペンスなのかどっちつかずのような印象を受けました。キャストが豪華なので観ていて楽しい作品なのですが、思ったほど弾けず終わった感じでした。

鑑賞日:2024年3月5日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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