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マッドマックス:フュリオサのhiのレビュー・感想・評価

4.3
「怒りのデスロード」が120分で簡潔に語られたカタルシス溢れる“行きて帰りし物語”だったので、その前日譚ともなるとその感動を超えるのは難しいだろうなとは思っていたが、私は本作も気に入った。

荒れ果てた地で人生を狂わされたフュリオサの、壮絶な半生。
「怒りのデスロード」の家父長制破壊の魂はそのままに、彼女の過去を掘り下げた本作。

フュリオサの悲惨な境遇はもちろんなのだが、意外にも宿敵ディメンタスについても多く描かれる。
美しく力強く残酷な男が、どんどん情けなく惨めに弱くなっていく様が見事だった。
一つ惜しいなと思ったのは、“WE ARE NOT THINGS.”を超えるメッセージ性がやや薄かったと感じた点。

アニャ・テイラー=ジョイのフュリオサも素敵だったが、少女時代役のアリーラ・ブラウンも凄かった。もっと彼女のフュリオサのエピソードが見たいよ。

ジャックという男性キャラクターが本作では登場し、フュリオサに大きな影響を与えていたことが語られるのが良かった。
ジャックがフュリオサにしたことを、「怒りのデスロード」でフュリオサがマックスにしていたんだなあ。

カーアクション、ガンアクションの面白さは健在で、なんと今回は空中戦もある。
大迫力の爆発シーンはずっと見ていたい。

また、前作に引き続き音楽も最高。
大きな金管楽器の低音が出す唸りに、重なるように拡大する弦楽器の鋭い旋律。
「怒りのデスロード」にも使われてたアガるチェイスのテーマも何度か流れて最高だった。

「怒りのデスロード」、もう何度見たかもわからないが、また見たくなっちゃった。
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