えりんぎ

ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-のえりんぎのレビュー・感想・評価

3.5
トラブルが絶えない家族。その衝突が生々しく、あまりに希望がなく、見ていられないほど辛いシーンもある。
そんな家族だが根底にある愛に観てる方も気づいていき、J.D.の成長物語を共に体験する感覚。

女優陣の気迫、鬼気迫る演技は圧倒的。
エンドロールに実在のファミリーの写真や映像が流れたが、見た目からそっくり。同一人物じゃないかっていうくらい。徹底的な取材、つくり込み、役作りを行ったんだろう。

原作は政治的視点で語っているが、映画版はあえて政治的なことにはほとんど触れず、家族の物語に焦点を当てている。
監督は「あくまでこの家族の歴史に注目したかった。大きな問題は、この家族を通じて見えてくる。そのためにも、家族をリアルに、忠実に描くことが大事だった」と語っていて。まさにそのあたりの描写が丁寧だった。
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