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トリュフォーの思春期のknightのレビュー・感想・評価

トリュフォーの思春期(1976年製作の映画)
4.8
子供だからと言って、必ず可愛いわけでも、必ず小憎らしいわけでもなければ、
大人だからと言って、必ず頼りになるわけでも、判ってくれないわけでもない。
子供を虐待していた母親が、警察に連行されながら、自分の年老いた母親を庇うのを見て、何とも複雑な気分になった。
いい人、悪い人がはっきりしてればもっと世界は上手くいくのかもしれないけれど、
複雑だから面白いのかな。。

原題は、L'argent de poche
ポケットの中のコイン?
一杯入ってる子供も、拾い集め子供もそりゃあ色々いるよね。

何枚ものデッサンの様に繰り広げられる群像劇、ラストでやっと訪れる出会いに、
人生が本格的に始まる予感。
しかも、その人生はなかなか素敵そうだ。

苦労する人もいれば、呑気な人、苦労を苦労と思わない人ももいるのかも。
「飛ぶ教室」の正義先生みたいな先生が、
『苦労した人は、生命力が強くなる。』
と言ってくれた言葉を信じたい。
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