あこねこ

ある人質 生還までの398日のあこねこのレビュー・感想・評価

ある人質 生還までの398日(2019年製作の映画)
4.3
1年ぶりくらいの映画館。
これ邦題で盛大にネタバレしてるけど、これなかったらどんな精神状態で観てたんだろう。

ダニエルは24歳で、アスリートから転身したてでジャーナリストとしては駆け出しでほぼ素人。
IS人質事件といえば、2015年の2人の日本人が拘束された事件がすぐに思い浮かぶけど、2004年に同じ24歳でアルカイダに殺害された日本人青年に近い感じがする。
彼の時も、6年前の2人の時も我々の税金を身勝手な行動する人達に使うなとか、支払ったらテロ活動に資金援助する事になるとか騒いでるうちに殺されてしまった。
もし、政府が身代金を支払って解放されても帰ってきたら批判されまくりだろうし、日本人を人質にすれば金が取れると思われて新たな人質が行われてしまうかも。結局どうしたらいいのかわからないな。結局、そんなところ行かなければ良かったという話に落ち着いてしまう。
でも、殺されてしまったら彼らの身に何があったか分からないままISが一方的に送りつけてきた脅迫画像だけの情報しか残らなくなってしまう。生きて何が起こったかの一部始終を発信して欲しかった。この映画のように。
それぞれの国の政府のスタンスやコンサルタントの使用など、興味が深まったし参考になる。自分にとっては意味のある作品。


過酷な拘束だけど、ずっと1人ではなく、ジェームズ達との交流があった事が救い。ジェームズがあの状況で自分を見失わない本当に魅力ある人物だったから特に後半は苦しい。「彼らの憎悪に負けたくない」と言った彼の事をもっと知りたくなった。原作も読んでみようかと思います。
あと家族や国の人々が協力的だった事。日本ならどうするだろうか。原作を買う事でちょっとした援助になるだろうかな。

2人の日本人人質の殺害に関与したとされるあのジハーディ・ジョンも出てきます。震えてたのはジハーディ・ジョンが誕生した瞬間ですか。
あこねこ

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