70年代のドラッグ・ムーブメントを楽しく勉強できる作品、クスリを求めてあちこちさ迷う主人公たちの旅を通して製作された当時のアメリカの空気が生々しく画面に充満し自分たちも葉っぱの匂いを嗅いでいるような気分に。
チーチ&チョンのボケとボケによるコミカルな掛け合いが物語と絶妙に絡んで笑わせてくれる、パーティーに参加しているチョンを一斉検挙せんとする警察の魔の手から救おうとするチーチの、二人の息が噛み合わずどんどんすれ違っていきしかも警察から逃げてしまうという馬鹿らしさとアナーキーさはさながらマルクス兄弟のよう。主人公たちの側にいる脇役たちも警察の方々を含めて個性的な奴らばかりで、奇人変人の集いを大いに楽しむことができる。
クスリを巡る珍道中が警察やら同じドラッグ愛好者やらを巻き込み、どんどん狂騒となってラストのライブで爆発する語り口が凄まじい。きっと主人公たちと同様ハイになってくるはず。
チーチ&チョンがミュージシャンだけあって、70年代のライブ映像が随所に登場してくるのも見所。
ちなみに購入したDVDはリマスターしたのかと錯覚するくらい映像が綺麗で、陽炎のなかから主人公たちの乗る車が颯爽と現れるシーンなんてギャグ映画とは思えないくらい格好いい映像に仕上がっている。
