【第93回アカデミー賞 短編実写映画賞ショートリスト入選】
ジャン・コクトーの戯曲『人間の声』をアルモドバル×ティルダ・スウィントンで映画化した作品。ヴェネツィア映画祭に出品され、アカデミー賞最終選考にも残ったがノミネートは逃した。
アルモドバルはどうも合わない。話としての奥行きが感じられたことが今までなかった。そのため、ティルダ様の一人芝居と舞台美術を見ることだけに集中した。
ティルダ様が最初に手に取っているDVDは『万引き家族』だな、ベッドの部屋にかかっているのは「眠るアフロディテとキューピッド」だなとか細部を見ていくと面白かった。
トリアー『ドッグヴィル』のようにセットをそのままにした美術はなるほど最後のためだったのね。
欲望が幸せと結びつくとこの上ない幸せ、しかしそれが破綻してしまうと全てが崩壊してしまう。欲望の果ての狂気に焼かれて残るのは果たして何だろう。