冬みかん

セブンの冬みかんのレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.0
まず、この映画の暗く不吉なトーンと緊張感のあるストーリーに魅了された。フィンチャー監督は、視覚的に非常に印象的な作品を作り上げ、暗い都市の風景や閉塞感のある雰囲気が映画全体を支配している。特に、終盤の驚愕の展開は強烈な衝撃を与えられた。

ブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの演技は、映画の核心にある人間ドラマを力強く描いている。ピットは若さと情熱を持つ刑事ミルズを熱演し、フリーマンは経験豊富で冷静なサマセットとして対照的な存在感を示している。二人の対比が物語の進行に緊張感を加え、観る者を引き込む要素となっている。

この事件の犯人を演じる役者は、その冷徹な狂気を完璧に演じている。犯人の登場シーンは映画の中でも特に印象深く、犯人の犯罪哲学が明らかになるにつれて、物語は一層深みを増していく。

また、「セブン」は、単なるサイコロジカル・スリラーを超え、社会的なテーマにも触れている。人間の罪や道徳、そして正義とは何かを問いかける作品である。犯人の行動は極端で非道ですが、彼の言葉には社会に対する鋭い批判が含まれており、それが観る者に深い考察を促している。

「セブン」は、視覚的にも内容的にも強烈なインパクトを持つ映画だった。見終わった後もその余韻が長く残り、視聴者に多くの考えを巡らせることを強いる作品である。犯罪映画やサイコロジカル・スリラーが好きな人には必見の映画であり、その深いテーマと見事な演技は、何度見ても新たな発見があるだろう。
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