チッコーネ

ダイヤル1119のチッコーネのレビュー・感想・評価

ダイヤル1119(1950年製作の映画)
3.5
立て籠もり事件を描くサスペンス、物語の大半はスタジオに設えられた街のセット内で撮影されている様子。
「酒場で憂さを晴らす人々」へ倦んだ視線を注ぎ、「テレビが普及し始めた時代に事件を面白おかしく生報道するマスコミ」を揶揄、そして脚本においては「人道に基づく行動が水泡に帰す」と、総じて皮肉な作風。
さらにニューロティック要素も付加されている。
ベビーフェイスながら、角度によってはアンソニー・パーキンスを彷彿とさせるマーシャル・トンプソンが、サイコパス役で主演。
追い詰められ、甲高い声で狼狽し始める場面では不気味で当然のはずが、どこまでもかわゆい。