デヒ

DIVOC-12のデヒのネタバレレビュー・内容・結末

DIVOC-12(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

各々の作品がすごく個性があって新鮮だった。良い映画(プロジェクト)。
やっぱり配信で見ることも楽で良いのだが、映画館で見たからもっといろんな考えが浮かび上がったと思う。
見て良かった!と思った!
短編のシナリオ書きたくなっちゃった。

『睡眠俱楽部のすすめ』加藤拓人監督
「もう春ですね。何か置いておかれた気分がして嫌だ」というのだが、それは目に見える状況だけ見ればそうだが、主人公の外とかかわらないようにする、閉じ込められた心じゃないかな。心を開いて戻っていくのは良かった。

『YEN』 山嵜晋平監督
撮った写真に価値をつけて遊ぶ女子高校生二人。優先順位が変わった相手に興味を持たせるためにした行動はピュアーな考えで行われた行動だし、ありそうな行動で涙が出た。物語、演出、撮影… 変わった演出に印象深かった。

『海にそらごと』 齋藤栄美監督
「あんたがかわいそうになった」で終わる。言葉だけ見たら悲しい言葉だろうが、何か後で傷を抱いている二人が一緒に暮らしていくような気がした。人に傷ついても、人との繋がりを求めている。映画の全てと言えるセリフではないか。好き。
中村ゆりさん本当に綺麗。

『よろこびのうた Ode to Joy』 三島有紀子監督
名も知らない老人に仕事を与え、金稼ぎに。大量の金も風に飛ばされてしまい、無駄使いだった金=税金?を見せる。
その中でコロナで死んでいく人も、家族なく一人で死んでいく孤独死のこともある。傷抱いている人同士の同情心も。
老人=日本のように感じた。

『魔女のニーナ』 ふくだみゆき監督
マジ笑ったwww
魔女の宅急便キキ+ハリウッド風ミュージカルの感じ。オープニングで田で歌ってる場面も、記憶消すことも(ハリー·ポッター?)、大人と子供(イントゥ·ザ·ウッズ)など…色々思い出しちゃって面白かった。主人公のニーナも、子供のめぐちゃんも可愛い。監督の前作も見たくなった。

『死霊軍団怒りのDIY』 中元雄監督
コロナウイロス=ゾンビ?
他者的に女性性を求められた主人公がゾンビの出現で命脅かされる時に、ゾンビに立ち向かって戦う。戦う時にすごく楽しそうに見えて、B級映画のようにゾンビの身体や血が散らばっていて、とても楽しかった。

『タイクーン』 林田浩川監督
中国人若者の時計、時間に関する映画。
中国、台湾風な雰囲気を匂わせられる演出が良かった。夢幻的。人によって合う時計(時間)があるでしょう。

『コメミの半生』 上田慎一郎監督
ベスト映画!コロナに対する経営難で閉館予定になってしまったミニシアターを背景としている。映画監督を目指している中学生の常連客に自分の一生の話をしてくれる人。
コメミ=映画。白黒から無声、有声、カラー、続々出る映画史上に残る作品を連想させる話の流れ…すごく笑った。ワクワクした!最後に、現世代に映画産業に対する希望的なメッセージを伝えて終わる。すごく笑ったし、好きな空間、好きな役者さん、メッセージで一番印象に残った作品だった。Save our cinema !

『流民』 志自岐希生監督
「全ての人は同じ部屋で泊まる」。最初にカラオケ歌ってる人が主人公を見ながら「なんか似ていない?」と言っていて、そのホテルの部屋は主人公の記憶の中をイメージ化したのかな、と思ったが、新聞だったんだ。世の中様々なところで事件と事故が。認識はしているか?気づくべき。これと加えて、コロナで誰かは死んでいく中で自分の欲望のため勝手に動く必要あるか?まで考えた。馬が走るのは、何かな?カタルシス?未来志向的?

『おこがえマガジン』 エバンズ未夜子監督
鏡の中の人は現実の自分と違う。人気で、いつも幸せそうに。途中に携帯いじる場面で携帯の中見たらmirrorというSNSをやっていたので、鏡=SNSで、鏡の中の人はSNSスターインフルエンサーではないか。最近ニュースでも見られるように、SNSの世界にハマってしまって現実逃避してしまう若者たちが増えているようだが、監督はその現象を元に、メッセージを与えているのだろう。「目を覚めて、自分の人生を生きろ」最後は希望的で良かった!
Retro風な雰囲気がもっと夢みたいな雰囲気を作ってくれて良かった。

『ココ』 廣 賢一郎監督
12作品の中、一番コロナの中の人々のつながりを感じた作品。

『名もなき一遍・アンナ』 藤井道人監督
日本人の主人公と中国人の彼女のアンナ。「合わなかったら寂しくなかっただろう。毎日が退屈」「大丈夫。そんな1日で充分。生きよう」
コロナの長期化による全ての人の心と同じだ。特に、外国人?長い間強制的に会えない。寂しさ、退屈でくる挫折。何ができるのか。どう生きていけば良いのか。そんな人たちに「生きよう、退屈でも良いから生きて行こう。必ず幕が開ける日が来るはず」と言いながら応援してくれる作品。
12作品の中、一番長編映画みたいだった。
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