原作読了済
原作は短編なので、家福が失った愛への執念から解放されるまでを描いて終わっている。しかし今作は、ドライバーのみさきに焦点をあてることで、単なる男女関係に留まらない、人と人とのコミュニケーションを捉え直す長編映画へと昇華している。短編を解釈しなおして長編作品に仕上げるためには相当な力量が必要なはずで、その点でも脚本のオリジナリティが発揮された素晴らしい映画だと思う。ユン夫妻の描写は忘れられない。
キャスティングも最高だった。特に三浦透子の感情の読めない演技はみさきのイメージに完璧にマッチしていたと思う。
正直、村上春樹や濱口竜介には多少の苦手意識がありました。そのうえで、この作品は繰り返し観たいと思えました。３時間の長さでも飽きさせない魅力。
