あさ

ドライブ・マイ・カーのあさのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

なんて美しき世界観!
静謐で儚く美しい

原作未読ですが、脚本が素晴らしい。
次は?次は?と早く知りたい衝動に駆られて画面から目が離せない、離したくない。伏線からの回収も巧みなため、3時間の長編作品とはいえ全く退屈なく鑑賞できます。

本作の一番の魅力はストーリー、登場人物共に“ミステリアス”であること。
とくに音が色っぽく知的で魅惑的、女の私でさえも惹かれちゃう(理想的な大人の女性像だわ)。家福と音とのベッドシーンも美しい。

『どれだけ強い絆で結ばれていても、愛し合っていても、結局のところ他人の心はわからない。だからこそせめて自分自身と真っ直ぐ深く向き合う必要がある』高槻演じる岡田将生くんの言葉が刺さる。

自分に正直に生きていくこと、意外とできてなかったりするんだよね。また、愛する人を失った“喪失感”とどう折り合いをつけて生きていくか、残された者は哀しみ乗り越えて残りの人生を生きていくしかない。

東京、広島、北海道、韓国と舞台は変わっていくけど、瀬戸内海の景色、北海道の雪景色が印象的だった。雪道を車で走らせる時の無音のシーン、雪景色に溶け込んで素晴らしかった。そもそも本作はバックの音楽がほとんどなく静謐で、劇場内にもどことなく張り詰めたような柔らかな緊張感が迸っていた。

そして最後の韓国のシーンあれは観客に答えを委ねているのだろうけど、韓国での公演をしてたってことでいいのかしら?マスクしてたからコロナ禍だし…謎。

最後に一つ、音が愛する夫が居ながらもいろんな男と寝ていたのは、心身共に満たされていなかったことに加えての単純に性欲が強過ぎただけじゃなくって?

もう一度観たい、何度も観たい!
あさ

あさ