いぬまるいぬこ

ドライブ・マイ・カーのいぬまるいぬこのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.2
家福と音、みさき、そして高槻も、自分の心と向き合うことから逃げている者たちが“見過ごしていた、見ないふりをしてきた気持ち”と向き合うことの大切さに気づいていく過程はとても素晴らしく、圧倒された。そして音の脚本の草案や演劇の物語が実人生と重なっていくさまも観ていて心がふるえた。おそらく自分のことを空き巣の女子高校生と重ねていた音は、自分の空虚感を家福と本当は共有したかったのだろうなと思う😢。音に共感しすぎて、音の苦悩をもっともっと知りたかった。ただ、3時間に及ぶ上映時間で辿り着いた結末があまりにも薄っぺらく、とても残念に感じてしまった。“長い、はてしないその日その日を、いつ明けるとも知れない夜また夜を、じっと生き通して”なんて、自分と向き合えていない人のすることだ💔。そんなの死んだほうがマシ😕。