あぁ、こういう話なのかぁ。
上映時間が長いのを懸念してレンタル待ちにしていたの、完全に間違ってた。
劇場で観れて、良かった。
舞台俳優・演出家の家福（西島秀俊）と脚本家の妻・音（霧島れいか）の夫婦のかたちが、しんどい。
乗り越えられない悲しみを共有しながら心底愛しあうのは、難しいのかも…。
経験がないから、想像の域は出ないのですが。
ふたりのキスシーンが（私の基準で）長年連れ添った日本人の夫婦っぽくなくて、その理由が分かった時、なぜだか寂しくなりました。
家福は自分が傷つくのが怖くて、音を生殺しにしていたのかも。
自分でもずーっと、わかっていたのか。
かなり複雑な人格の家福という男。
自分と共通点はないはずなのに、心底、共感してしまう不思議。
どんなに辛いこと、耐えられないことがあっても、人は生きなければならない。
幾たびも語られている普遍のメッセージが、
こんなに腑に落ちたのは初めてでした。
上手く言えないけど、人それぞれの視点で感じて、考えて。
考えた先に希望があればいいな、とふと思いました。
