えな

ドライブ・マイ・カーのえなのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
原作未読だと思う。前半は知ってるような気もしたほど夫婦の会話シーンは村上春樹色が強い。
いままで観た邦画とあまりにも質が違いすぎて、なぜこんな映画が突然?と戸惑った。観ていて映画を観ていることをときどき忘れてしまうほとその空間の中にいるような不思議な感覚に陥った。邦画としての期待値をあげていても驚かされるほどだったがこの映画は芸術的な映画に慣れてない日本人に評価されるんだろうか。今まで「興収のため」とアイドル起用や変な挿入歌、詐欺まがいの広告、無理矢理なハッピーエンド、原作愛のない映画化など繰り返してきた邦画業界へのモヤモヤがこの作品に出会ってだいぶ晴らされた。日本映画の未来はあると思わせてくれた。
西島秀俊が運転して被災地を訪れた「風の電話」と同じ監督かなと思ったけど違ったかー。濱口監督作品完全に初見。ロードムービーによくある景色の流れかたと違って後部座席から後ろの暗い景色の描写が多く、それが不安と物悲しさを感じさせてきて心を揺さぶられた。この監督の作品を今後観ていきたい。
韓国人の通訳してた旦那さん、素敵な人柄が伝わってくる表情がとても好きだった。あんな夕食の場に出会いたい。
えな

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