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ドライブ・マイ・カーのyokoのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.5
車のナンバーは39-82サンキューハニー
上映時間が長いとあるが、ワーニャや家福のように他人に向き合わず長期間なにをしてきたんだと同じように後悔する私たちに刺さるための時間。

私自身、舞台の知識があればもう少し楽しめたかなと思いました。ゴドーはなんとなくストーリーは知っていたのですが、ワーニャおじさんのほうは知らなかったので少しチェーホフも時間があれば読んでみようと思います。あえて感情を込めずに練習をする、演出方法は意外でした。多言語を翻訳を介さずそのまま劇を進行させるのも面白いですが、手話の演出が素晴らしく、最初はちょっとあざといかな〜と思った手話も、劇の最後で後ろから抱きついて手話を見せるシーンは私の一番好きなシーンです。子供をあやすかのように顔の前で手を動かし、それでも生きていくと諭す。あの人が普通の話者では感動は少ないと思いました。消えた人間に思いをぶつけていればという後悔はBurningやハルキ作品を感じました。消失した人間の声と稽古を繰り返しているシーンも面白い状況で録音テープじゃなく、ある種今語りかけているような不思議さが、絵の動きは控えめなのに緊張感を持続させていたと思います。

追記

ノルウェイやカフカなどの憑依芸を考えるなら、車中の高槻には音が憑依しているのではないか?ワタシと向き合って、ワタシを成仏させてと、高槻や音の肉体関係あるなしは実はあまり関係はない。生前からお互いのイタコ体質を見抜いていたのだろう。近い例えばロストハイウェイの女、彼女の無念が大統領と若者を引き合わせマフィアを撃つ。成仏させてクレメンス映画。
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