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ドライブ・マイ・カーのwtnbmghのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
すべてのバロメーターで満点を叩き出しているので、はい!100点差し上げます!!と言いたくなる映画だった。
とりあえず西島秀俊が僕が考えた最強の西島秀俊すぎる。そうだよ、西島秀俊はデザイナーズマンションに住んでて紺のハイネックのニット着てて意味わからん旧車乗ってるし神経質で保守的なんだよ…わかる…って感じで俳優と役はどちらがどちらを規定するのだろう…ということを考えながら観ていた。そのくらい俳優と役、作り手と作品が不可分でその境界を決められないまま浮遊してこの映画は進むものだからチェーホフのテキストや発せられる言葉達もそのままに我々の前に取り出されるし言語すら超越したポリフォニーが映画という空間の中で響き渡る様を体感させられるのだと思う。
運転手の彼女は(果たして作中で彼女の名が呼ばれることがあったろうか?)あたかもロシア文学的な運命の女性のようであったし、西島秀俊は100%の村上春樹作品の主人公のようであって、画面自体は静かなのに幾重にも重なる亡霊のようなイメージや声によって豊かな像を成していた。
めちゃくちゃシンプルに身も蓋もなく分解してしまうと村上春樹的な登場人物が黒沢清的映像の中でチェーホフ的なロマンを成していたと言えるかもしれない。
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