ひきこもりにゃんこ

ドライブ・マイ・カーのひきこもりにゃんこのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.2
あぁ~私には凄く面白かったです

小説も読みましたが映画は映画として映画用に仕上げてあり、双方上質な作品に仕上がっていたと思います。
やっぱり映画は視覚と聴覚で攻めてくる必要があるから、東京、広島、北海道と、「目に来る」風景が必要で、作品と景色の調和もよく場所を吟味してあったと思います。
あと演出。映像美と音の強弱。弱を通り越した、無の世界など、演出にもグッときました。
最近の映画界に受けの良い「多様性」も盛り込まれ国際社会向けの映画を初めから狙って来て、しかもちゃんと狙いの場所に当てたのが凄いと思いました。
そして、響くのは終盤の要人たちが話すセリフ達。このある程度生き抜かないと染みてこないだろう重みと深みのある言葉たちは、これを聞くためにこの映画をまた見るかもしれない。
相手を思い過ぎるあまり表現する事を抑えてしまう「大人」な人に表現することの必要性。コミュニケーションするとはどういう事か。
障害者に「だけ」優しくする事の「差別」等。なるほどと思う事が沢山ありました。

あえて難癖をつけるなら、セリフでの描写説明のシーンが長すぎて単調になるところが数箇所あって、そこに少し映像での説明カットを入れてテンポ良くしても良かったかもー。と言ってみたり。