しばわんこ

ドライブ・マイ・カーのしばわんこのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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村上春樹の小説を濱口竜介監督が映画化。
原作は短編だが、濱口竜也監督による独自の解釈によって、物語を膨らませ約3時間の映画に再構築されている。脚本と演出が村上春樹の世界観と非常にうまく融合していた。
声が印象的な映画だった。主演の西島秀俊とカセットテープに吹き込まれた霧島れいか演じる音の声、感情を込めずに台本を読むシーン、物語は余計な音楽を排除している分、声の印象が強く残った。声だけでなく、パク・ユリム演じる手話で表現をする舞台女優、物静かだが感情を押し込めた三浦透子のドライバーの静の演技もとても良かった。
約3時間の長時間の映画だったが、引き込まれる映画だった。人はどれだけ親しくなっても、心の奥底の深い部分までを知ることはできない。心の奥底の闇を除きこむことの恐怖と、真実に目を背けて生きることの不安。「僕は正しく傷ついてこなかった」という台詞が印象的だった。
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