sid

ドライブ・マイ・カーのsidのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
ドイツの田舎街ではサーブ900をよく見かける。日本で言うところのプリウス位に。最近目を引く900を見つけてこの映画を思い出し、約2年越しに2度目の鑑賞。

作中に何度も出てくるテキストという言葉。
口にする事で、自分自身を引き出す力を持つテキスト。それに答える事。それはきっと、自分自身を深くまっすぐに見つめる事。そうする事で何かが生まれる。別の新しい人になれる。
ハイデガーが、「言葉にすると真実から離れてしまう」みたいな事を言っていた。
会話の中で、思ってる事を上手く伝える事が出来ずに、言うべきでは無かったと後悔する事は本当によくある事だけれど、それは自分自身を見つめる過程なのかも知れない。言葉にした後にいつも感じる不快感は、自分の乏しい言語化する能力による物だけでは無くて、自分自身を見つめた事で見えた自分自身の中の渦による物。
友達が言ってた。「つまらない言葉を言ったなと思う時、俺は変わろうとしている時」そういうことか。
sid

sid