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ドライブ・マイ・カーのtreetreeのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.8
3時間あまりの上映時間なので、映画館で集中してみることができてよかった。家だったら途中で観るのをやめてしまったかもしれないと思った。

以前、村上春樹さんの短編小説集で読んでたのに読んだことを忘れていて、妻の音がベッドで語る、ヤマガの家に空き巣に入って匂いを嗅いだり、自分がきた証を残す話や前世がヤツメウナギだというところで読んだことがあったのを思い出したので、そんなに印象に残っていない話だったのだろうか。。。

辛い過去に直面することを避けてきた家福と専属ドライバーのみさきは高槻の話しによって避けてきた過去の出来事に向き合うことを余儀なくされる。家福はみさきの過去に起こった事に付き合いながら、家福も自分の過去について考える。
高槻は自分の感情のままに行動する。過去にはこだわらず、自分の気持ちを抑える事なく行動する。ある意味過去とは向き合うことがなく逃げることもない。その結果、自らの将来を潰してしまう。

家福が演出するワーニャおじさんの劇の中で、辛くても自分の人生を受け止めて精一杯生きていくしかないというセリフは2人の気持ちを物語っている。
高槻の代わりに家福がワーニャおじさんを演じることが出来なかった理由はここにあったのかと思った。

専属ドライバーのみさきは暗くて笑うことがなかったのに、最後の韓国のスーパーマーケットで買い物して車に乗るシーンは笑顔で幸せそうだった。