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ドライブ・マイ・カーのFilmarksのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
5.0
上手くいえないけどなんかやばい

折に触れて観直していきたい

過去やトラウマが、モヤモヤ感ありながらもまあなんとか成仏したかな救済されたかな、なんとか前に進んでみようかな、、という話は良い。マンチェスター・バイ・ザ・シーもこんな感じっだったような、観直してみようかな

斎藤環の鬼滅批評を思い出した。しっかり断罪することはその人を尊厳のある主体として扱うことでもある

常に後部座席だった家福が助手席に座るとこがやばい

最後の、現在・現実への接続がやばい

普通途中で眠たくなりそうなやつだが、一気に観れた

主要キャラ皆そんな人おらんやろて一見思いそうだけどやたらリアル

割とクスッとなる微笑ましいとこが何箇所かあった

小説を読んでるような感じだった。原作未読だが、原作の空気感そのまま再現されてるような予感

大昔に1作品読んだだけだが、ああ村上春樹てこんな空気感だったなと鮮明に思い出した。内容はほぼ思い出されないのに。なんかすごい

北海道への道中、なんで下道を走っていたのか。遠景にはより速く走っている車が映っていたので高速あったはず

走行方向と海の位置がおかしいと思いGoogleマップ調べたら、西日本から北海道への車のルートは太平洋側でなく、滋賀から北上し日本海側を行くのがはやいのだと初めて知った

斎藤環
「鬼滅の刃」の謎 あるいは超越論的炭治郎
https://note.com/tamakisaito/n/n47ea5832fe1a
「敵に同情するから素晴らしい、というのとは少し違う。悪はきっちりと裁き、罰を与え、その上で存在は肯定する。」
「それは「罪を憎んで人を憎まず」とは少し異なる。結論から先に言えば「人を慈しみつつ罪は裁く」ということだ。」
「それゆえ他者のトラウマに深く関わろうとするものには、一定の「覚悟」が要求される。何度裏切られてもすべて受け入れる、という覚悟ではない。それでは単なる自暴自棄と区別がつかない。覚悟とは「もしこの一線を越えてしまったら、たとえ被害者であろうと裁く」という覚悟のことだ。ある種の罪は、許されてしまうことが地獄につながる。許さないこと、毅然として裁くことが時に救済となる可能性を、「鬼滅」はきわめて説得的に描く。」
「加害者に転じた被害者をいかに処遇すべきか。この問いに対して、「鬼滅」はぎりぎりの、しかしこのうえなく優しい解答を試みている。炭治郎は鬼の責任を追求することはしない。彼は知っているかのようだ。鬼は人間に戻った瞬間に、責任を自覚する。そして尊厳と責任の主体として死んでいく。それはあたかも「免責されることで引責可能な主体となる」(國分功一郎)過程にも似てみえる。」
「かつて触法精神障害者は、精神鑑定を受けて心神喪失状態と判断されれば、刑罰は免れる代わりに措置入院、もしくは医療観察法病棟での入院治療を強制される。 … しかしそれは本当に患者の利益になっているのか。服役する代わりに自由と尊厳を奪われ、免責される代わりに精神障害のスティグマを負い、自分の行為に責任が取れない主体として生かされることは果たして患者の幸福に寄与しているのか。」

東浩紀、上田洋子
東浩紀突発#43 濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が良かった! チェーホフに詳しい上田洋子さんと語るよ
https://shirasu.io/t/genron/c/genron/p/20220206235345
1:45:00~
『万引き家族は本当に優れた映画だと思ったが、すごくストレートに心に入ってくるという点では、ドライブ・マイ・カーに軍配があがる。万引き家族は「監督が今の時代に何を訴えたいのか」を考えながら観てた。考えながら観るというプロセスが解除されないまま最後まで行ってしまう。それは僕が批評家だからだと思う。だから普段映画は観たくない、エンタメしか観たくないとしょっちゅう言ってる。方程式と解答みたいに観てしまうから。「この監督に与えられてる課題はこれでそれをよく解いてるなあ」というふうに観てしまう。パラサイトもすごくよく出来てると思うが、「よく出来てる」ということとは別に、ドライブ・マイ・カーは「人間が生きるってつらいよなぁ、でもつらくても生きてくんだよね」って気持ちになった。批評家的な的な感じを崩してく雰囲気があった。そこが今回良かった。』
2:02:50~
『身体を重ねていたら分かっていたのかと思ったら違った、という話。言葉にしなかったので自分は失敗しました、という話。言葉にしないとダメだよ、という作品。』
2:12:25~
『「退屈」とは要は「分かる」ということ。先が読め、オチも分かるということ。今回は分からなかった。家福とみさきが結ばれるのかもしれない。家福が高槻を殺すのかもしれない。ずっと宙吊りのままもってかれる。サスペンスのような。』
めっちゃ同意

東浩紀「多視点的な映画『ドライブ・マイ・カー』に感銘受け、希望を見た」
https://dot.asahi.com/aera/2022021400077.html?page=1
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