shuma

ドライブ・マイ・カーのshumaのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.9
救われる映画だと思う。
怒りや悲しみといった激しい感情をウチに仕舞い込んでいる主人公。
どんな辛いことがあろうと、それを決して表に出すことはない。
主人公が感情を爆発させずに、心の奥底でグツグツと煮込んでいる様子をみるのは心が疲れる。
ただワタリが今はなき家の丘でいった言葉が、全てを救ってくれる。
断片的しか覚えていないけれど、こんな感じ。
「嘘なんかないんじゃないんですか?カフクさんに見せていた顔も本当の顔、不倫をしていたのも本当の顔。そこに裏切りはないんです..」
要は人は裏表の二面で語られがちなことが多い。そして私たちの知らない「裏」の存在は一見真実だと思われた面を打ち消す。しかし実は、人は多面的であり裏が表を否定することもなければ、他の面が存在することで裏切りにあうことはない。この多面性を受け入れることが人間関係において必要なのかも。
shuma

shuma