Atsu

ドライブ・マイ・カーのAtsuのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.1
久々に映画にどっぷり浸かった感覚。引き込まれたな…

paraviでチケットが余ってたから話題作を鑑賞!3時間の長丁場、元々集中力がない方で、しかも夜勤明けで軽く眠気がある中大丈夫かなって思いながらの鑑賞だったけどあっという間に終わりましたね。なんだろ、セリフと映画の雰囲気に引き込まれたって感覚。

まずシンプルに家福が演出する戯曲にすごく惹かれた。多言語、手話が飛び交う演劇って何を言ってるのか分からないから、それこそ映画の中にも出てきた「何かが生まれる」って感覚を感じた時の達成感といったら凄そう。
そしてまさにこの戯曲と家福、ドライバーのみさきの人生が重なり合う。2人でドライブに出かけた最後のシーン、何かが生まれたよね。

そして音が作る空き巣のお話にも本当に惹かれた。何この面白いお話!?って思いながら観てた。防犯カメラがついただけで日常と何も変わりない。家福も音が亡くなっただけで周りの日常は何も変わらない。みさきも母が亡くなって自分が居場所を変えたこと以外何も日常は変わらない。

この映画自体のラストがどうなったのか分からない感じも、この音が作るお話と被る部分があるよね。続きがあるかもしれないし、ないかもしれない。とりあえずみさきの顔を見て、みさき自身は前を向けたんだなってことが分かった。家福も大事なものを手放して前を向くって感じかな。想像だけど。


この戯曲とかが例なんだけど、映画自体に伏線というか全体的に繋がりがあってそれがまた面白い。伏線ありますよー感がないのがより良い。見てて楽しい。
撮り方も素敵。引きでの撮り方が多い。ごみ処理場での2人の会話、かなり大切な話だったのに2人の顔のアップはほぼなし。逆にそれが良かった。2人以外の他の人はただの日常なんだなって改めて思った。
サウンドの表現も好き。トンネル抜ける音、雨の音。そして音の声。全部心地よい。

でもなによりも素晴らしいのが俳優さんたちです。西島さん、岡田さんはもちろん、三浦透子さんはほぼほぼ初めて見ましたが凄いな… どんな時でも感情が揺さぶられないの凄いな…

ぜひコロナ禍じゃなければ舞台を韓国に移してやって欲しかった…!!そしたらもっと面白くなりそう。
そしてやっぱりドライブしたくなった。自分も何か考えたい時、適当なところ車走らせて考えたくなった。
Atsu

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