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ドライブ・マイ・カーのnoriのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

【家福】
・言葉以外で語ろうとすること
・自分の心に目を向け曝け出すことは控え、他者の心を見つめることを重視

【高槻】
・言葉で語ろうとする
・自分の心をに目を向け曝け出すことを重視

この対比のどちらが正しいのか比較した上で序盤は家福のやり方が正しいのでは?と思わされた。特にユナの演技を見た時は、それが正しいのかと僕自身思ってしまった。しかし中盤音が家福の知らない物語を高槻に語ったところで、自分の心に目を向けることも正しいのか?という揺さぶりがかかる。
物語終盤、少しずつ過去が明らかになったミサキの口から、音が家福を愛していたこと、その一方でたくさんの男を求めていたことが両方とも嘘偽りがないのではと家福に伝えられた(推測された)ところで、上で対比されていた両方が正しかったことが認められる。
最後ワーニャ役となった家福は自分を曝け出す演技をし、一方でソーニャ役のユナと静かに言葉以外で語る演技をし、二つの観念が融合されたことが示される。
対比構造を見せて揺さぶりをかけつつ、最後にそれが一つになるという流れが面白かった
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