唾

ドライブ・マイ・カーの唾のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.2
邦画初のアカデミー作品賞ノミネート、そしてアカデミー国際長編映画賞受賞。偉業だと思います。すごい。世界から高評価を受けていて日本人として嬉しいです。
でもだからといってこの映画を分かったようなフリをして良かったと安易に言いたくないです。ちゃんと良かったなと思えたところを書きたいと思います。
まず3時間という長尺を感じさせないほど作品に引き込まれました。淡々と物語は進むんだけど全然飽きない。明らかに濱口監督の手腕だと分かる素晴らしい構成でした。
そして印象的な言葉、煙草のシーンも良かったです。「強調された静けさ」「正しく傷つくべきだった」。車の中で煙草を吸うシーンは個人的に好きです。
良い作品だったとは思いますがアカデミー賞を取ったり高評価を受けるほどの作品に、僕は感じることができなかったのが正直な感想です。長尺映画は時間が長い分、ラストで長さに見合う「なにか」が欲しくなります。個人的になにかグッとくるものがなかったのが少し残念でした。
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