ひな子

ドライブ・マイ・カーのひな子のレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
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人が、車が、シーンが、空気が、横から横に前に前に流れていく。
ゆっくり。きっとこのスピードが、ちゃんと分かる会話のスピード。
大切なのは言語じゃない、言葉は記号。大切なのは、それぞれの人が生きてきた経験と、その時感じたこと、考えたこと。そこの怠り具合と、向き合ってきた具合で、人と人はわかりあうのかもしれない。
だからこそ、適当に生きたくないな、と思う。感情や仕事、生活の密度と濃度の高い人と、わかりあうために。

海辺でタバコを吸うシーン、「行きますか」を自然に自発的に言った。関係性がないとなかなか言えない。
フェリーから海を覗くシーン。息を飲む。
手話の力強さ、ぱちっと音をならす。それで熱を伝える。
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