サヤコ

ドライブ・マイ・カーのサヤコのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.7
2時間50分という長尺。
でも冒頭のシーンから引き込まれて割と後半まで飽きることなく楽しんだ。
妻を亡くした脚本家、謎めいた若い女のドライバー、複数言語での舞台劇、等とても興味深い形で話が進んでいく。
見終わってみれば、そこまで上手く出来た映画ではないと思う。ただ、どの場面も面白く(役者も良い)いつの間にか見終わってた、という感じ。
主人公の家福(西島秀俊)が舞台演出家ということもあり、劇中劇も多い。ただ、劇のシーンでないところも、どこかセリフじみたセリフと芝居がかった雰囲気。
彼らのセリフのやり取りを聞き、どこにこんなヤツら住んでるんだよ。と思ってしまったが、あ、そうか。この映画の中に住んでるんだ、と自分なりの答えを出して納得。
見終わって解説を開き、初めて原作が村上春樹である事を知って色々腑に落ちた。
村上春樹には明るくないし好みでは無いが、好きではなくても芸術性が高いことは分かるし、独特の色、世界、を感じることは出来る。
この映画がその色や世界を出せていたかと思えば3.5点という感じ。努力賞。

あと、車の中ってとても好きな空間です。
とてもプライベートな空間、あれほど狭いのに解放感のある空間、どこまでも行けるような気がするあの自由感。
この映画もその好きな空間の雰囲気を感じることが出来ました。
サヤコ

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