3時間あっという間でした。基本的に登場人物たちは声を荒らげることなく淡々と会話をしている。
でもその会話の中には一瞬の燃え上がるような炎、氷の様な冷たさを感じたり、ある時はすごく非現実的な世界に連れて行ってくれて、視聴者にいろんな世界を見せてくれる。その内容に色んな感情が引き出された。
家福の代わりに運転してた妻に口出しして「モラハラよ」と言われたりみさきが運転手になったときに苛立ち、いつもより声を大きくしてセリフを読み上げてたのは、ずっと運転する側だった自分、つまり自分の主体性を脅かされたからな様な気がした。それほど自己愛が強かった人物が傷付き、色んなことを受け入れ成長して、人生で大切なことに気づくストーリー。
自分に正しく感情表現をすることは日本人にとって特に課題だと思った。
「辛かったことはあの世で悲しみ今を生きていく。」
こんな風に新しい視点で人生を考えるきっかけを与えてくれた映画だった。
