たまご

彼女のたまごのネタバレレビュー・内容・結末

彼女(2021年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

Netflix Japanまたか…というかんじ。。これが世界に配信されるのか、、辛いなぁ、、という感想。深みのない言葉は心の温かい部分に入ってこない。それは、当事者の本当の気持ちを掬っていないからなのでは?と疑問が残る。followersの時も同じように感じたなぁ。

音楽の選曲もfollowers感。これを指揮してるのは30代後半〜40代前半のベストヒット的なのが好きな人なのかなぁ。あと、唐突に歌い始めるなど、脈略がないために観ていて小っ恥ずかしくなった。

あとは、LGBTQ+で性について深く深く自問し、悩んでこられた方が、果たして「同性愛者に生まれてよかった」と表現するだろうか。「この人を心から愛せてよかった」などという言葉を選ぶんぢゃないかなぁ🤔

ヘテロ以外の愛のカタチを、殺人や逃走、絡みのシーンといった突飛なシチュエーションや、背景の家庭環境、雰囲気重視の映像、大モノ俳優といったエンタメ要素に頼って資本主義社会で消費するのはもう時代遅れなんぢゃない!?と、思っちゃったよ。

たとえば、DVに苦しむ人のリアルな訴えや感情の移り変わりをDVの経験のない人が映画を撮るにはどうしたらいいのか?
トランスジェンダーの子と親との関係性や苦悩を、ヘテロ寄りの世界観で生きてきた人がどのようにして映像化するのだろ?
もしそれを表現する立場になったとしたら、多くの当事者に話を聞きに行き、資料を読み、専門家に話を聞いて少しでもバイアスやアンコンシャスバイアスがかかっていないか、とても慎重になると思うんだ。わかったつもりでいると、そうした配慮を欠いちゃうよ。当事者に耳を貸さず「わかったつもり」でいることが、この国を停滞させてる大きな理由ぢゃない?今年の男女平等ランキングなんて153ヵ国中、120位だよ?

この国やシステムへの苛つきを、映画の中くらい覆して欲しかった。でもこの映画はそのシステムを未だ採用し、尊重しているかのようにも見えた。

声がなかなか表に届かない層や、マイノリティーな人たちが抱える生きづらさに、映画の中くらい、もっと、もっと真摯に寄り添ってくれよ、せっかく多くの人に伝えていけるチャンスだというのに…と。個人的にそんなことを感じて落胆し、こうして今書いている。

世界配信で他国の人がこれを観ると、日本が男女平等ランキング120位の意味に納得するのかもしれないね。
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