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岬のマヨイガのmitakosamaのレビュー・感想・評価

岬のマヨイガ(2021年製作の映画)
3.6
平日朝しか劇場で上映していなく、中々観れなかったがようやく鑑賞。期待以上に良かった。

東日本大震災直後の岩手が舞台。一応架空の町だが大槌町がモデルとのこと。
避難所で途方に暮れている高校生のユイと小学生のヒヨリを、キワさんなるおばあさんが引き取り岬にある家に引越し3人の共同生活が始まる。
この家が来た人をもてなすマヨイガ。いわゆる曲がり屋なんだよね。劇中でも昔は馬を飼っていたと言う台詞がある。

人当たりが良く優しいキワさんだが、段々と不思議なことが起こる。
まずカッパが登場。このカッパが赤いんだよね。これは唸った。遠野のカッパの伝説とか赤いって記述があるんだよね。わかってるぅ〜!

ユイは父のDVから逃げてきた家出少女。ヒヨリは両親を事故で亡くし失語症になった上に震災で親戚にも死別。
そういった震災で傷ついた人々の心の闇を吸い、妖怪アカメは巨大化して行く…という話。

3人は更に遠野へも行く。昔旅行した事あるから懐かし〜。(でもカッパ淵は実際はもっと閑散とした所だったよ)

邪悪な妖怪アカメが人の暗い気持ちを吸収しみるみる巨大化する。如何に震災が人の心を蝕んだかを表現しているね。その困難に対して家族の結束力で乗り越える。それがこの物語の本質だね。
そしてちょっと不思議なエッセンスがあると人生がより豊かになるというメッセージ。それがこの物語の妖怪の役割だ。
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