kazuuu

ヒッチャー ニューマスター版のkazuuuのレビュー・感想・評価

3.8
乗せた男は殺人鬼…

なんといっても、殺人鬼を演じるルドガーハウアーの存在感が凄まじい。眉一つ動かさず人を殺しそうなイカれた雰囲気を醸し出しつつも、彼なりの哲学がありそうな、どこか知性を感じさせる怪演。
サイコパス殺人鬼の一つの完成形だ。

本作の主人公は、親切心から、運悪く殺人鬼を車に乗せてしまった。殺人鬼に「なぜ付き纏うんだ?」と聞いても、納得いく答えは返って来ない。主人公は理由もなく、全くの理不尽で悲惨な目に遭うのである、、、

しかし、殺人鬼に酷い目に遭わされる度に、主人公の顔つきが変わっていく。最初は泣いて命乞いしていた軟弱な顔が、次第に困難に立ち向かう男の顔つきに変わるのだ。

人生においても、理不尽は起こる。どんなにボロボロで、絶望したとしても、立ち向かう事が大切。
そんなメッセージだと受け取った。

また、夜明けや夕暮れの情景が美しいのも特徴の一つ。

追記
監督のインタビューを読むと、ルドガーハウアーに対して、「ジムハルジーを自分の息子のように扱うよう」演技指導したとのこと。確かに、父と子の関係性を2人に見出せるのは、面白い所です。
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