kazマックス

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイスのkazマックスのレビュー・感想・評価

3.5
最近ではMCU『ブラックパンサー』でも描かれていた、アフリカ的な未来感のヴィジュアル「アフロフューチャリズム」の元祖映画。

「世界は終わったとまだ気づかない? 銃、怒り、いらだち、それが地球の音楽だ」。1969年に地球から突然消息を絶ち、宇宙空間を旅していた音楽家で思想家のサン・ラーが黒人たちを理想の惑星に移住させるべく地球に戻ってくる。このサン・ラーって人は実際も思想家であり音楽家の黒人で、本人のキャラクターをそのまま映画に持ってきている。

「私は存在しないし君たちも存在しない、君たちは社会に存在を認められてないから権利の平等を訴えてるんだろ?君たちも私も幻だ、実態のない虚像として私はここにいる、それが黒人というもの」、ブラザーたちを説き伏せるサン・ラー。Sun(太陽)La(太陽神)で日本語だと太陽太陽神様ってことか。海外ドラマ『ラブクラフトカントリー』でもこのサン・ラーの音声が使われてました。


サン・ラーが乗船する、両眼が飛び出したような宇宙船の燃料は音楽で、その燃料の秘密(音楽)を盗み出そうとするNASAの白人。
それは黒人の音楽を白人がカバーして、あたかも白人の音楽のようにヒットを飛ばしてる背景の反映。
『メイキング・オブ・モータウン』でもそのことについて言及してたし、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に至ってはチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」が白人の曲にされてたね。


宇宙にこそ居場所がある♫
スペイッザプレイ〜♫