くんたま

エスター ファースト・キルのくんたまのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

前作のノリで挑むとかなりシュールに感じるシーンも多々ありますが、
明らかに不憫な生い立ちに原因があるのに、人の心が全くないサイコパスとして描かれてしまった殺人者キャラクターをサイコパスキャラとしての魅力はそのままに人間らしく描き直す流れ、好きです。(ドントブリーズ2とか)

リーナの場合は病気が要因でしょうし、前作は好きですが実在する病気なので確かに当事者の方が観たらどう思うか…と今となって考えました。

殺人描写はあっさりしていてテンポもよくあっという間に終わってしまったように感じましたが、そうくるか!?という驚きはありました。
前作と同じくネタバレ厳禁ですね。

他者に認められず居場所もない、奪っては去って行くを繰り返していたリーナと、権力を温存したい、他者を受け入れないトリシアの対比が面白いです。

誰にも本当の自分を見てもらえない(見せたところで理解してもらえない)リーナが、ブラックライトで照らすことで隠されたものが浮かび上がる絵画のギミックを気に入るのも、もしかしてそういうことなのかな…とちょっと切なくなりました。

ちょくちょく素を解放するシーンもシュールではありますが、必要だったんだなと思います。

エスターとして押しつけられたピンク色のチョーカーを外し黒色のものに取り替えたシーンは、リーナが自分を取り返したような、自分は自分だという意思が見えるようで胸が熱くなりました。

前作に続く不穏なラストですが、彼女を愛してくれる人が必要…というのは制作サイドの本心だと思います。
くんたま

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