とらキチ

エスター ファースト・キルのとらキチのレビュー・感想・評価

3.9
“永遠の9歳”エスターの前日譚。
前作製作当時12歳でエスターを演じていたイザベル・ファーマンが、今度は25歳で“子供”のエスターを演じるという事で、どんなものかと楽しみにしていた。
蓋を開けると、前作を観たばかりだったというのもあって、やっぱりイザベルちゃん大人になっちゃってるよねぇ…と思わずにはいられなかった。物語の最終的な着地点もわかっているので、物語序盤は大人のイザベルちゃんが、いかに子供に見えるか工夫したトリックショットや、ボディダブルの使い分けなんかに、どうしても目がいってしまった。だけど中盤以降、思わぬ方向へストーリーがスイングしだしてからは、俄然面白くなってきて、なんなら「ガンバレ!エスター!」って応援してしまうぐらいの気持ちにさせられた。実際「応援上映」なるものが開催されたそうで、めっちゃ気持ちわかりますし、参加したかったです(笑)。
そんなエスターちゃん、クルマの中でお化粧し、タバコをふかす姿は、まさに前作でのあの姿そのものだったし、“恋多き女”が最後裏切られ(フラれ)てしまう時の切なさ、スイッチが入った表情もとても良かった。
「エスター」シリーズのお約束、男性陣のポンコツ具合は相変わらず。それと共に、エスター自身や養家側のやる事なす事の迂闊さも相変わらず。この塩梅こそ「エスター」と言えるのでは。
今作は“エスター”としての前日譚だったけど、今度は“リーナ”としての前日譚も、ぜひ観てみたい!
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