前作の前日譚だから、ある意味「エスター」で最も大事な部分をネタバレした状態から始まるわけなのでどうかなと思っていたけど、意外と楽しめた。
むしろ、その設定を利用してつくられている。
これ以上「エスター」に秘密なんてないやろって思っていたけど、エスターじゃなくそっち側に秘密があるのね、という。
前作がある以上、結末はある程度予想できていたものの、それをもってしても面白い。
エスター役のイザベル・ファーマンが、少女にも女性にも見える、ほんとうにすごい。
実際は大人の女性なので、少女のように見せる……というか、撮影時に子どもだった前作とほぼ変わらなく見せているのがすごい。
サイコパスではあるけれど、その見た目のせいで愛する男性にひとりの女性として見てももらえないどころか、子どもとしてしか見てもらえない切なさみたいなものをうまく表現していた。
ずっと収監されていたand何も知らない人には子ども扱いされてきたために、大胆で計画性があるように見せながらも、どこか稚拙で行き当たりばったり、すぐ感情的になってしまうエスターの世間知らずさの表現が素晴らしい。