幼馴染のヤクザに託された、障害のある妹と"何か"を載せて男はバイクを走らせる。電話は繋がらない、探しても見つからない父親。愛情も憎しみもぶつけどころを失い、巨大な喪失感の中生きる若者たちの運命が絡まり、最悪の結実する特別な一日。そして人生は続く。
青山真治監督初監督作品にして北九州サーガの第1作。昭和が終わり平成が始まった時期の空気感、浅野忠信さん、光石研さんの若々しい演技、変わってないようで何かが決定的に違う北九州の風景。人がどんどん死ぬハードボイルドながらどこかおかしみのある人間ドラマ。短い映画なのに見所が多すぎた。
北九州市民映画祭上映作品で、上映前に建築映画探偵・堀口さんによる講演「監督・青山真治の地理学〜失われた北九州への旅」が行われる。おもにHelplessの場面写真を元に当時の撮影現場を探し求めるという聖地巡礼のオタクには必聴のテーマ。
ものすごく古い映画という訳でもないのに、青山映画のロケ地の建物は撮影後取り壊されてることが多いらしく、場所の同定は困難を極めている様子。意外だったのが全編北九州ロケに見えるHelplessに、一部シーン大分県国東半島でのロケが含まれていることが判ったということ。
田んぼの中のバス停と公衆電話、バイクの男女。長閑な風景で一度見たら忘れられない印象的な場面が撮られた。映画後半の主要な舞台となるドライブインも含めてロケ地は国東の竹田津。現在ドライブインは廃屋になっているという
